まだ2017年来ていないのに2017年の話しをしてしまいすみません・・・
2017first collectionでどうしても製作したいアイテムがございました。
ちょっと長くなりますがどういう意図で製作されたのかご覧になって下さい。
毎シーズンイメージする事やインスピレーションを受けた事をテーマにして
tehu tehuは進めていこうと思っています。
ブランドだから!とかの理由では無くて
1回1回裏付けされたモノゴトをブランドとして発信したいと思っているからです。
今回は" amami-tenptation "
奄美大島をテーマに誘う・誘われるを掲げて製作しています。
少しこの誘う・誘われるについてご説明致します。
そもそもこの誘う・誘われるって・・・?
色に反応する蝶が数種類います。
色。
それは同じ種や吸蜜源などです。
今回は吸蜜源。
山の中で特定の種を採集する時にトラップを仕掛けます。
罠です。
特定種が反応する吸蜜源色の傘などを蝶道(蝶にも空中に道があるんです)に
吸蜜源に似た色のシートや傘などを仕掛けて
花に間違えて飛来して来た時にネットインします。
山の中で自分がトラップになったら1番良いよね???
という答えを実現させようという事で今回はコチラを製作しました。
" butterfly hunting jacket 1st amami kanai-kougei "
うちで毎回生産している1stを奄美大島に工房を構える
天然染色工房"金井工芸"さんへ染色をして頂きました。
まずは金井工芸さんのご紹介です。
奄美大島龍郷、山の麓に工房を構えています。
古来より奄美に伝わる伝統技術泥染を始め天然染色を行い、
奄美の豊かな自然を染色を通じて色と先人の知恵を共有してい来ます。
工房ではテーチ木(車輪梅)を採取し染料を作る事から始まり
大島紬の糸や絣から様々な分野からのニーズに応える天然染色を行なっています。
何故奄美大島?
奄美大島は日本一ツマベニチョウという蝶が生息しています。
基本的には本州以南生息ですが鹿児島などにはいます。
この蝶が2017first collectionのモチーフにもなっています。
この蝶とにかく早い。採集するのは本当に大変です。
もう無茶苦茶早いです。素人は採集出来ないと思います。
この蝶はハイビスカスなどを吸蜜源としていて赤い花に寄ってきます。
このツマベニ蝶やアゲハチョウ類を採集する為にトラップになりたいという
単純な思いで今回はレッドを製作しました。
少し枯れかけたハイビスカスカラーです。
染色方法は茜と車輪梅を使って頂きました。
車輪梅は大島紬では必ず使う素材です。
今回は赤みの強く出る使い古しの車輪梅を使って頂きました。
また、茜は昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブルが発明した染色方法。
本州では春〜初夏まで採集時は大活躍です。
南西諸島では年中、活躍ですね。
続いてはブルー
同じアゲハチョウ類でもブルーを好む種もいます。
春の訪れを知らせてくれるギフチョウ。
スミレの色と間違えてブルーに飛来します。
複眼で紫外線もキャッチするのでブルーに見えるんですね。
このギフチョウを採集する時にブルーシートなどを使うのですが
その色に極力近づけてもらいました。
藍染です。
藍籠で泳がしてもらい空気酸化などを経て4回染色でベストな色になりました。
乾かしている段階なので実物は濃いです。
今までは紛れる・蝶に警戒されない色のジャケットのみ製作していましたが
今回は誘う・誘われるジャケットです。
ジャケットと同時にSpecimen boxも製作しています。
Specimen boxはそれぞれのカラーに反応する誘われた種のみ入っています。
個人的にはとても最高の仕上がりだと思います。
コレはうちしか出来ないオリジナルプロダクトです。
specimen boxは少し先の販売になります。
残念な事にspecimen boxもジャケットも生産は今回のみです。
再生産は一切行いません。1回限りです。
また、ジャケットのお取り扱い店舗様は盛岡のlichtさんのみになります。
既に数件お問い合わせを頂いており
店頭に出せる数も少ないと聞いています。
気になる方はlichtさんへお問い合わせ下さい。
発売は1月2日になりそうです。
〒020-0024
岩手県盛岡市菜園1丁目6-18 パナハイツビル菜園A棟 101
licht(リヒト)
tel 019-909-0242
それでは皆様、今年1年ありがとうございました!
2017年も宜しくお願い致します。
よいお年を!
tehu tehu director 朝野雄大